2018年1月12日金曜日

2017年人の幸せに関する発見ベスト10

米国のカリフォルニア大学バークレー校にある、人の幸せを追究する機関「Greater Good Science Center」は、毎年その一年で発表された、人の幸せ、充実した生き方等に関する研究で、最も刺激的で影響力があるベスト10を発表しています。2017年の研究についても350名の研究者からの回答に基づいた大変興味深い結果が公表されています

1.「人の感情はこれまで理解されていたよりももっと豊かであり微妙」       幸せで意義深い人生とは、ただ良い気持ちになるだけではないというこれまでの見解を指示する研究結果。入りまじった感情が健康や幸福の鍵であることを示しているか。。 

2.「人生における目的意識が必要なのは若者だけではない」            中高年(32歳から83歳まで)までを対象とした調査において、目的意識の高い人ほど認知スキルが高く、睡眠の質や健康状態が良いことが明らかに。

3.「マインドフルネスと瞑想の効果は思った以上に未知数」
マインドフルネスについては定義そのものが研究者や実践者の間でも様々。瞑想はストレスの原因になる場合も。科学的な効果が実証される一方で、万人に適応できるわけではないという調査結果も。

4.「人との付き合い方や性格は変えられる」
幼少期の養育者との愛着がその後の人生において他者を信頼することや、心地よい関係を構築することにおいて重要だとする従来の考えが根強い中、パートナーとのヨガなど、親密性を養う活動を通して、回避的なコミュニケーションスタイルを持つ人が良い方向に変化することができることが明らかに。

5.「音楽は人をより創造的でマインドフルにする」
創造力を試すテストにおいて、音楽を聴いたグループは(その音楽が好きか嫌いかに関わらず)発散的思考や想像的アイデアの思い付きに長けていた。合唱は精神的健康をもたらすとの結果も。

6.「他者を気遣うことが自己のレジリエンス向上に効果」
他者を助けること(オンラインで他者の悩みに対してコメントすること等)は、自己の充足感を高め、難しい状況において感情の調整を行う力を養う可能性も。

7.「携帯への過度な注意が関係性に悪影響をもたらす」
コミュニケーションの相手が携帯電話に過度な注意を払うことにより阻害感を感じた人が、その疎外感を埋めるために他者からの注目を求めてソーシャルメディア多用し、結果そのことが別の誰かの疎外感を生むという悪循環も。

8.「職場の親切は感染する」
職場にてコーヒーをごちそうしたり、御礼のメールを送るなどの親切行為を週に5回1か月間実施した集団の生活と仕事への満足度は高まり、親切行為を受けた集団の幸福感もその1か月後に高まるだけでなく、その集団にも他者への親切行動が現れ始める(ペイフォワード現象)。より親切で慈悲深い職場環境をつくることは可能。

9.「多様性のある学習環境はどんな人種の学生にもプラス効果」
米国の4300人の中学生を対象にした調査によると、クラスの多様性が高ければ高いほど、どの人種の生徒も不安や孤独感を感じることや、いじめに合うことが少なかった。スウェーデンの移民反対派が多い地域においても、移民の生徒と触れ合う機会が、地元出身の子どもたちの差別を軽減することが明らかに。

10.社会性と情緒を養うプログラム(SEL)の効果は長続きする
様々な国の幼稚園から高校までで実施されているSELプログラムを検証した結果、プログラムによる。コミュニケーション力向上、向社会的行動の高まり、成績アップ、不安やストレスの軽減などの効果は、プログラム受講後も1年から4年近くまで持続することが明らかに。
  
記事はこちら:Greater Good Science Center

手を組んで歩く楽しそうな子どもたち@美術史美術館 in ウィーン

  

1 件のコメント:

  1. 多様性や情緒、親切、気遣い、目的意識、芸術どれをとっても、いかにも人間らしい言葉ですね✨

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