2016年10月30日日曜日

意義深い、自分を真に満たすプロジェクトはどこに?

私たちは日々、様々なプロジェクトに取り組んでいます。
楽しみや夢の実現のために主体的に取り組むものもあれば、
生活や家族のために仕方なくやっているものもあります。

28日(金)のBook Cafeでは、
「自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義」( Brian R. Little, 2016)
を用いて、それらのプロジェクトの中でも、自分にとって重要であり
自己の価値観と一致し、自己表現を伴う「コア・プロジェクト」を
炙り出す試みを行ないました。

「コア・プロジェクト」の背景には
その人の性格(遺伝や環境によって形成されたもの)、欲求
知能、立場など複数の要素が存在します。今回は簡易的な
尺度を用いて、参加者の皆さん個々人が自己の持つそれらの要素について
改めて振り返る時間を持ちました。

結果・・・

「自分にとってのコア・プロジェクトはこれだ」と
特定できた人もいましたが、多くの人は
・自分にとって重要
・自己の価値観と一致する
・自己表現を伴う
の3つを備えたプロジェクトを特定することができませんでした。

私はこの結果はとても自然なことであるように思います。
自分を真の意味で満たし、有能感を得ることができ
全エネルギーを投入したいと思える「真のプロジェクト」を
誰しも持っている訳でも、持つべきであるとも言えないでしょう。

しかし今の社会ではそのようなプロジェクトに関わっていない人が
負い目を感じてしまうような風潮があるし、そのようなプロジェクトを通して
収入を得なければならないとするメッセージも溢れています。

私は、仕事、余暇、家庭生活、地域活動など、様々な場面で
学び、楽しみ、悩み、成長しながら、自分が大事にする「テーマ」を
体現する人生を送ることが大事だと考えます。
コアなプロジェクトで有能感を感じることも大事ですが
様々なプロジェクトを通じて、人生の手綱を握っている感覚を得られることは
同じくらい大事だと思います。

そう考えた時、子どもや学生に対する「あなたは何になりたいですか?」という
質問はあまり意味をなさず、「あなたは何を大事に生きていきたいですか?」と
問うことが大切になってきます。それと同時に、自分が大事にしたい価値を
見極めるために、自分にとっても未知な、自分自身の様々な側面について
認識することができる「痛みを伴う経験」を重ねることが必要でしょう。

Book Cafe参加者の方々との対話を通して
いろんな気づきを得ることができました。





0 件のコメント:

コメントを投稿