2017年6月2日金曜日

もったいない「片想い」。

先週台湾の4都市を巡り、7つの大学を訪問してきました。今回はクライアント様の依頼を受け、主に日本語学科や観光学科を訪ねて周りました。その中でまず実感したのは、いかに台湾では実践的な教育が行われているかということ。観光関連の学科にはホテルサービスからコーヒー焙煎やワインテイスティングに至るまで、幅広く学ぶための設備が整えられており、旅行業を学ぶ学科には旅行会社もあります。

*大葉大学レジャー事業管理学科/大学院入り口


*カフェやカクテルを学ぶ教室



日本語学科が入る建物には和室があり、学生たちは言葉だけでなくマナーや文化も学びます。日本語教員養成で有名な東呉大学では、学生たちは自ら進んで卒業論文を日本語で書き、多くの卒業生がその後実際に日本語教員となり、台湾全土で活躍しているそうです(この大学出身者が台湾全土の日本語教育者に占める割合は50%近く)。

*東呉大学日本語文学科の教室


そんな中、先生方から聞こえてくるのは「もっと日本について学びたい」「日本の学生にきて欲しい」でも「日本からの留学生はどんどん少なくなっている」と言う声。日本語を学び留学し、日本のホテルなどでインターンシップ経験をする学生は増えているものの、日本から台湾の大学に足を運ぶ人は減っているとのことでした。この片想いはこれまで長く続いているものだそうです。

先日ある新聞記事で日本電産の創業者である永守重信さんが「日本は社会のニーズに合った学生を排出できていない」「欧米の大学はホテル学科など実践的な学科があちこちにあり、即戦力として使える」と述べておられましたが、サービス産業への期待が今後益々高まることが予想される日本において、これからその分野で活躍したいと考える若者は、台湾に限らず、タイやマレーシアなど、観光産業がより盛んな国で専門性と言語力を同時に高めることも良いのではないでしょうか。

また、観光関連の学部に必ずある調理学科の教員は、「学生たちは和食を学びたいのに日本の学校と行き来がない」「和食の教員がいたら是非紹介して欲しい」と述べておられました。日本政府は2020年まで農林水産物や食料品の輸出額を1兆円まで増やす目標を掲げていますが、専門家や飲食業者に向けたPRだけでなく、教育を通して和食ファンを増やすことで、将来的な需要を高めていくことができるのではないかと感じました(台湾の大学で教えてみたい調理士の方、いませんか☺️)。

日本語学習者も世界では近年増加傾向であり教員のニーズは高まっているそうです。日本で日本語教育を学ぶよりも、台湾など日本語を学びたい人に囲まれた環境で学ぶ方が、よっぽど効率が良いのでは?と素人ながら考えましたが、みなさんいかがでしょうか?


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