2016年11月29日火曜日

舞台の表と裏から見えてくるもの

週末の「ニッポン全国物産展」では、株式会社ライブスさんのお手伝いで、47都道府県の商品調査に参加しました。3日間、時には一般客のように接客を受け、試食を重ねて買い物し、時には運営側として出展社さんからアンケートを回収。またある時は、スタッフ証をつけているがために、一般のお客さんに案内をお願いされるなど、イベントをまさに360度から味わいつくしました。

丁度1週間前、私自身はベトナムで出展社として試食提供を行っていましたが、その立場からだけでは見えなかった来場者の心境を今回はありありと感じ取ることができたし、様々な出展社さんの商品や販売スタイルを調査者の視点で眺めることで、自分の営業方法の改善点を山ほど見出すこともできました。

「ニッポン全国物産展」「ジャパンベトナムフェスティバル」共に大賑わいで、出展社も来場者も肩が触れ合う程の距離で同じ場所を共有しているのに、その思いが通じ合うことは容易ではない。。。だから人は簡単に財布を開かないし、売る側は「どうして伝わらないのだろう」と頭を悩ませる。もちろん想いが通じ合い、大繁盛のお店もたくさんあるのだけど。。。このもどかしさはクセになりそう。ワクワクする自分を発見。

そして、3日間で知り合いになった出展社さんから、ゆず最中、珊瑚のアクセサリー、アイスクリーム、柿などいろいろ頂きました。郷土の資源を熱く大事に伝える人の愛に触れました。

写真は調査者みんなが買い集めた商品を片っ端から試食し、舌と脳が忘れないうちに評価シートを埋める・・・の画 ^^;






2016年11月24日木曜日

丁寧な言葉と関わりがもたらしたもの

ホーチミンにて開催された「2016 Japan Vietnam Festival」にて、愛媛の食料加工品を紹介しました。このイベントの参加者は、主に日本文化を好むベトナム人です。商談目的の業者が集まる展示会とは全く異なり、2日間で15万人以上が来場するこの「お祭り」に参加をした理由の一つには、一般のベトナム人が私たちの取り扱う商品をどのようにとらえるのか、生の声を聴きたかったという思いがあります。これまでは海外で活躍する和食関係者や駐在員の方々のフィルターを通して、現地のニーズ把握に努めてきました。しかし、現地での販路拡大していくためには、人口の大半を構成するローカルの人に直接アプローチしていかなければなりません。


今回の新たなチャレンジのために準備したのは、訴求力のあるメッセージを英語とベトナム語とデザインで伝える販促物。そして、英語、日本語、べトナム語、中国語を使いこなすベトナム人のタイくんに協力を仰ぎました。タイくんは、その言語力だけでなく、鋭い観察力で来場者のニーズをくみ取り、丁寧に商品の魅力を伝えてくれました。また、今後のビジネスにつながりそうな人物を見極め、私に名刺交換を促してくれたりもしました。おかげで、イベント終了後に、私たちのビジネスの転換をもたらすと思われる、重要な方々と話し合いの場を持つことができました。本当に感謝しています。

広告デザイン、通訳・翻訳は、テクノロジーの発達で経費削減の対象になりがちですが、ただの媒体や変換機でなく、優れた表現者・コミュニケーターとしてのそれらの存在は、簡単にAIなどに取って代わられることはないことを実感しました。

タイ君の通訳で地元のニュース番組の取材












イベント終了後のミーティング





               




2016年11月15日火曜日

日本語の訴求力

輸出を希望するメーカーさんの商品を吟味し、海外営業のための販売促進ツールを複数言語で準備する中で痛感することがあります。それは日本語による商品説明の曖昧さ。「○○さんちの・・・」「歴史が育む伝統の味」「シェフの手ごね○○」等々。文化を共有する日本の消費者には付加価値をもたらすことのできるこれらの文言も、海外の人には何も伝えていないというケースが多々あります。1から100 まで伝える必要はないと思いますが、折角多言語で商品紹介を行うのであれば、商品の本質的な特徴を伝えることのない文章で、パッケージやチラシを埋め尽くすのは、あまりにもったいないと感じます。

また、最近都心の店などでよく目にする、雑貨のように販売されているスタイリッシュなパッケージに入った食料加工品。裏のラベルを読むと、こだわりぶりが理解できるのですが、折角たくさんのインバウンド客が訪れているのだから、オシャレなパッケージはそのままに、もっと訴求力のある多言語メッセージを、せめてポップなどで伝えてはどうかと感じます(売り場が煩雑になり、店の雰囲気を壊してしまうでしょうか・・・)。

外国の方に日本の商品をしっかり伝えたいと思う時に生まれるこれらのもどかしさは、日本における高コンテキスト文化がもたらすものだと考えます。高コンテキスト文化では、「何を言ったか」よりも、「どのように、どのような状況で言ったか」が重視され、「言語・共通の知識・体験・価値観・嗜好性」などに依存した意思疎通が行われるのです。ですからロジック訴求ではなく、感情訴求の商品案内が多いのでしょう。

ちょっとだけ宣伝になりますが、弊社では3つの国に住む、経験豊富な5名のメンバーが翻訳に携わっています。現在は日本語で既に作成されている案内文を翻訳することを中心に行っていますが、現在、文章から書きおこす、消費者のアクションを促す訴求力のある販売促進ツールの開発を始めています。何かお手伝いできることがあれば、いつでもメールにてご連絡ください。nourishjapan@gmail.com

写真は東京の博物館での一コマ。展示物の説明はほとんど日本語なのに。こういうところは訴求力のあるメッセージ^^;







2016年11月8日火曜日

もっと自慢したい地元企業

昨晩は、愛媛の大手地方銀行である伊予銀行さん主催の「いよぎん海外ビジネス交流会」でした。地元を代表する企業の中、生まれたばかりの超零細企業でしかも女子(一応私のことです)はアウェイ感満載でしたが、伊予銀行国際部の方々のご配慮もあり、複数の方々と名刺交換をさせていただくことができました(ありがとうございました!)。

当然のことながら、お会いするのは既に海外進出を果たされている方々ばかり。「へえ〜そんな国で、そんなことを!」と驚きの連続でした。中でも海外進出先進事例として全体に向けて発表された株式会社愛亀さんの取り組みは大変興味深いものでした。取り組みの一つとして、道路のくぼみやひび割れを簡単に埋めることができる舗装補修材「エクセル・パッチ」が紹介されました。特別なスキルがなくても、常温でも扱える補修材(アスファルト舗装でよく見かける高温ローラー必要なし)の需要は開発途上国で非常に高く、現在は、JICAと展開するカンボジアやインドのインフラ整備で活用されている他、タジキスタンを始め、多くの国から愛亀さんの技術と商品に対して引き合いがあるそうです。

愛媛生まれで愛媛育ちと仰る愛亀の代表取締役西山氏ですが、幼い頃から好奇心がとても強かったとのこと。国内市場の縮小を感じた時、「海外に出よう」と直感的に感じたそうです。もうじき還暦とは信じ難い立ち居振る舞いで、プレゼンテーションはiphoneをiwatchで操作。他方、多くの実績にもかかわらず、「今こういうことをやっているというだけのこと。先のことは何もわからないんですよ」と謙遜される。外へ外へと目が向きがちな若者に、もっと知って欲しい地元の人や会社がたくさんあると実感した夜でした。

2016年11月7日月曜日

九州パンケーキから学ぶこと

話題の九州パンケーキ。プロデューサーは宮崎県にあるお寿司屋さんの2代目。商店街の活性化に尽力する中で、自分たちの成功だけを追い求めるのではなく、「経済の循環を生み出していくことが大切」という思いで、県境を一気に飛び越え、すべて九州産の材料だけで作ったパンケーキミックスを作ったのだと(参照:MACHI LOG)。小麦は大分、赤米は福岡、発芽玄米は宮崎、うるち米は鹿児島、黒米は熊本、もちきびは長崎、胚芽押麦は佐賀県、砂糖は沖縄から。今や全国600カ所以上の店舗で販売され、台湾とシンガポールには「九州パンケーキカフェ」もオープンしています。

通常「カロリー分の栄養素」という基準で食を選ぶ私が、市販のパンケーキミックスに手を伸ばすことはほとんどありませんが、先日この九州パンケーキを店頭で見かけ、その話題性、正直さと自信が伝わってくるパッケージに惹かれて迷わず買い求めました。早速週末に子どもたちといただきましたが、優しい甘さ、歯ごたえ、雑穀の風味、そして「九州の生産者さんが協力して作っている」というイメージも入り込んで、納得感と満足感の大きい朝食となりました。



さて、このパンケーキの粉から何を学んだか。それは地域資源を広く捉えて活用することの大切さです。最近、海外営業先でよく言われるのは「県ごとに売り込みに来られても対応が大変」「海外の人にとっては○○県産はこだわらない」「オールジャパンでいいものを厳選して持ってきてほしい」など。本当は隣県の方がその野菜の生産に的にしているのに、無理やり自分のところだけですべてを揃えることには無理があり、消費者のためにはならないということなんですね。私自身、単なる「地元推し」にならないように、愛媛県産品の本質的な良さをしっかり学ばなければなりません。

以下「九州パンケーキ」サイト:http://shop.kyushu-pancake.jp/








2016年11月6日日曜日

気分を侮るなかれ

「気分」って、モワモワっと湧き出す泡のようで移ろいやすいため、明確な要因を特定できる具体的な「感情」や「情動」ほど、気にかけないものです。

先週の松山大学の心理学の授業では、この「気分」の大切さについて、ロバート・E・セイヤーの「毎日を気分よく過ごすために」を読んで考察しました。セイヤーは、気分は心理的及び生理的プロセスであり、「その時の心身の状態を測定する温度計」だと述べています。だから気分の状態にしっかり気を配ることで、自分が取るべき行動が自ずと見えてくるのだと。また、気分は私たちが外界を捉える際のフィルターとなるため、いくら物質的に恵まれていても、高い地位にあっても、沈んだ気分は外の世界を否定的なものとして自分の中に取り込んでしまうのだと。逆に言うと、物質的に豊かでなくても、良い気分を保つことで、ある程度の幸福感を得られるのですね。

また、親としても、組織の長としても(小さな組織ですが^^;)肝に銘じておきたいのは、気分は伝搬するということ。集団の中心人物の気分が全体に影響を与えることは、科学的にも明らかにされています。気分を良い状態に保つための睡眠、食、運動、活動時間など、小さなことでも日々意識して選択したいものです。

写真は近所の空き地を埋め尽くすコスモス。

2016年11月3日木曜日

あちらが立てばこちらが・・・

大きな作業を一つ終えた頃に、新たな作業が発生。決まりそうな案件が流れたら、次の案件が生まれる・・・。もう随分前からそんな波乗りを繰り返しているように思います。

そういえば子育てもそう。この子が沈んでると、他の子たちはハッピー。別の子がトラブルを抱えると、この間まで沈んで子がやる気をみなぎらせるとか。全てがうまくいく時間って、そう長くは続かないものです。

でも最近分かってきました。欲張りで放っておくと動きすぎてしまう私を目の前のことに集中させるように見えない力が状況をコントロールしてくれているのだと思います。うまく陰と陽のバランスを取ってくれている。ありがたいシステムです。

昨日は丸一日貿易取引の講座を受講しました。久しぶりの座学でのインプット。「こんなことも知らずに、よく輸出の営業やってきたな」と反省しきりでしたが、身体をひとところに留め脳を活発に動かす良い時間でした。

写真は気持ち良く晴れた日の松山大学のキャンパス。








2016年11月1日火曜日

「行ってらっしゃい」と「ただいま」の奇跡

「行ってらっしゃい」と送り出した家族が
それぞれの場所でそれぞれの1日を過ごし
「ただいま」と戻ってくる。
翌朝、同じように目覚め、出かけていく。
奇跡だと感じます。

15歳で「行ってきます」と出かけた娘が
来週、高校の課程を修了し戻ってきます。
「もう無理」と思う試練がいくつもあったから
タスクを終えて帰路に着くなんて
信じられない気持ちです。

写真は先日もらった、子どもたち作の結婚20周年アルバム。
何気ない日常の写真ばかりだけど、
奇跡の連なりです。

私に似た「仕切りたがり」の長女が下地を作り
海の向こうから弟たちをリモートコントロールして
完成させたそうです^^