2016年11月15日火曜日

日本語の訴求力

輸出を希望するメーカーさんの商品を吟味し、海外営業のための販売促進ツールを複数言語で準備する中で痛感することがあります。それは日本語による商品説明の曖昧さ。「○○さんちの・・・」「歴史が育む伝統の味」「シェフの手ごね○○」等々。文化を共有する日本の消費者には付加価値をもたらすことのできるこれらの文言も、海外の人には何も伝えていないというケースが多々あります。1から100 まで伝える必要はないと思いますが、折角多言語で商品紹介を行うのであれば、商品の本質的な特徴を伝えることのない文章で、パッケージやチラシを埋め尽くすのは、あまりにもったいないと感じます。

また、最近都心の店などでよく目にする、雑貨のように販売されているスタイリッシュなパッケージに入った食料加工品。裏のラベルを読むと、こだわりぶりが理解できるのですが、折角たくさんのインバウンド客が訪れているのだから、オシャレなパッケージはそのままに、もっと訴求力のある多言語メッセージを、せめてポップなどで伝えてはどうかと感じます(売り場が煩雑になり、店の雰囲気を壊してしまうでしょうか・・・)。

外国の方に日本の商品をしっかり伝えたいと思う時に生まれるこれらのもどかしさは、日本における高コンテキスト文化がもたらすものだと考えます。高コンテキスト文化では、「何を言ったか」よりも、「どのように、どのような状況で言ったか」が重視され、「言語・共通の知識・体験・価値観・嗜好性」などに依存した意思疎通が行われるのです。ですからロジック訴求ではなく、感情訴求の商品案内が多いのでしょう。

ちょっとだけ宣伝になりますが、弊社では3つの国に住む、経験豊富な5名のメンバーが翻訳に携わっています。現在は日本語で既に作成されている案内文を翻訳することを中心に行っていますが、現在、文章から書きおこす、消費者のアクションを促す訴求力のある販売促進ツールの開発を始めています。何かお手伝いできることがあれば、いつでもメールにてご連絡ください。nourishjapan@gmail.com

写真は東京の博物館での一コマ。展示物の説明はほとんど日本語なのに。こういうところは訴求力のあるメッセージ^^;







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